車のガラスコーティングとは、車のボディの表面にガラスの被膜を塗ることで、傷や汚れに強くし、ピカピカの状態を保つカーメンテナンスの一つです。洗車などのメンテナンス回数をグッと減らすことができるうえ、中古車としての査定に好影響を与えるため、近年人気といえます。
しかし、ガラスコーティングには「しない方がいい」という意見も見られるのも事実。カリペア編集部では、ガラスコーティングについての真実や誤解について調査し、これからカーコーティングを検討する方にわかりやすく解説します。
ガラスコーティングについて調べていると遭遇する「コーティング不要論」
新車・中古車を購入してピカピカの状態に保つために、ガラスコーティングをしようと業者選びをしていると遭遇するのが「ガラスコーティングをしない方がいい」という不要論です。
思わず驚いてしまいますが、詳しく調べずに「ガラスコーティングはやめとこう」と思ってしまっては、もったいないかもしれません。
ガラスコーティングは車をピカピカにする技術という誤解から、見た目だけを変えるという印象を持ってしまう方もいます。しかし、ガラスコーティングは今後の愛車を所有する人生のなかで、必ずQOCL(クオリティ・オブ・カーライフ)を上げてくれるもの。
まずは「ガラスコーティングはしない方がいい」と言われている理由について見ていきましょう。
ガラスコーティングはしない方がいいと言われている8つの理由
ガラスコーティングをしない方がいいと言われている理由は、主に下記の8つです。
それでは理由について1つずつ見ていきましょう。
理由1:車は移動手段であり、汚れていても気にならないから
「車は移動手段」と割り切っている方は、ガラスコーティングをしない方がいいというでしょう。
通勤手段や子どもの送り迎えのため、しょうがなく車を所有している方は、必要でなければ車は不要という方が多いです。車が汚れていても単なる移動手段であれば、動けばいいため、高額になりがちなガラスコーティングは不要と言えるでしょう。
しかし、移動手段と割り切っていても「汚れ」は気になる方は少なくないでしょう。「洋服はなんでもいい」と思っていても、カレーうどんのシミは何となく気になるものです。
一度でも「自分の車汚いなぁ」って思ったことがあるなら、単にガラスコーティングの効果を知らないだけかもしれません。
理由2:施工費用が高く、数万円の価値はないから
ガラスコーティングの費用は、どうしても高額になりがちです。最低でも4万円前後から、車の種類や業者によっては十万円を超えるものもあります。
本来、自動車の維持にはかなりの費用がかかります。車検や自動車税、駐車場代にガソリン代など、自動車は所有するだけでお金を使ってしまいます。そんななか、ガラスコーティングを施工すると、さらに費用がかかってしまいます。
ただ持っているだけで維持費がかかる車なので、最低限の維持費以上の費用をかけたくない方が「ガラスコーティングはしない方がいい」と思ってしまうでしょう。
理由3:青空駐車をしており雨染みが気になるから
青空駐車(屋根がない場所で屋外駐車)をしている方で、ガラスコーティングをすると「雨染み(ウォータースポット)」が気になる方もいます。
せっかくガラスコーティングを施工したのに、雨染みができてしまい後悔している方は「ガラスコーティングをしない方がいい」という感想を持ってしまいます。そのため、青空駐車にはガラスコーティングがいらないという意見すらあります。
しかし、ガラスコーティングには撥水性・親水性・疎水性という3つの種類があります。そのなかでも雨染みに強い種類が親水性のガラスコーティングです。反面、撥水性・疎水性の2つは、親水性と比べると雨染みに弱い構造をしています。
親水コーティング | 疎水コーティング | 撥水コーティング | |
---|---|---|---|
接触角度 | 小さい (30°程度) | 中程度 (50〜80°程度) | 大きい (95〜105°以上) |
水の流れ | 流れる | 流れる | 転がる |
光沢度 | 目立たない | 目立たない | キラッと輝く |
ウォータースポットへの耐性 | 強い | 比較的強い | 弱い |
特徴 メリット デメリット | 水染みができにくい 光沢が出にくい | バランスに優れる 親水性には劣る | 光沢感が魅力 風で水滴が落ちる 水染みに弱い |
青空駐車の方は親水性のガラスコーティングを選べば、十分ガラスコーティングをするメリットがあると言えます。
理由4:自宅で自分でやった方がお得だから
DIYが得意な方や元々自動車をいじるのが好きな方は、自分でガラスコーティングを行うため「ガラスコーティングはしない方がいい」と思うでしょう。
確かにガラスコーティング業者で使用するガラスコーティング剤は、ほとんどの場合、私たちでも手に入れられる商品です。そのためガラスコーティングを施工するという意味では、別に業者でなくても実施はできます。
しかし、自分でガラスコーティングを実施するとなれば下記の道具を自分で用意するする必要があります。
- 細部洗浄剤
- 鉄粉除去剤
- 鉄粉取り用粘土
- 水垢除去剤
- 脱脂クリーナー
- ボディ研磨剤
- 洗車用ブラシ
- ガラスコーティング剤
- 塗り込み用スポンジ
- 拭き取り用クロス
さらに、下地処理〜コーティング施工をしっかりと行う必要があるため、作業は1日がかり、なるべく翌日に持ち越してはいけません。天気も晴れか曇りの日と、かなり面倒であることは間違いありません。
筆者も意気込んで自分でガラスコーティングを実施しようとしたことがありますが、あまりにも大変すぎて途中で投げ出し、泣く泣くガラスコーティング業者に依頼したことがあります。
理由5:ディーラーコーティングを経験したことがあるから
新車納車時にディーラーコーティングを勧められて実施したことある方は「ガラスコーティングをしない方がいい」と思うでしょう。
カリペア編集部ですら、ディーラーで行うガラスコーティングであれば「しない方がいい」と言います。なぜならディーラーコーティングは多くの場合、専門の技術者でない担当が、市販のコーティング剤をただ塗っただけにすぎないためです。
業界の裏事情で言えば、ディーラーコーティングオプションの販売が、ディーラー自身の給料に反映されるため売られていることもあります。
残念ながらディーラーコーティングは品質が高いものとは到底言えないため、ディーラーコーティングであれば「やめた方がいい」と言えます。
理由6:マメに洗車をすれば良いから
言ってしまえばマメに洗車ができればガラスコーティングをするメリットは、多くありません。ガラスコーティングは洗車の回数を減らしてくれるためです。
ガラスコーティングをしない方がいいといえる洗車頻度は、最低でも2週間に1回ほどです。青空駐車であれば、1週間に1回ほどは洗車をするべきと言えます。
さらに言えば洗車機ではなく、手洗い洗車が理想です。洗車機での洗車は細かいキズがつきやすく、長い目で見ると車を大きく劣化させる要因となります。
2週間に1回の洗車ができる方は、ガラスコーティングはしない方がいいと言えます。
理由7:メンテナンスが面倒だから
ガラスコーティングは一度してしまえば終わりではなく、定期的なメンテンナンスが必要なコーティングです。だいたい6ヶ月〜1年に1度ほどメンテナンスは行ったほうがいいと言われています。
メンテナンスの内容としては、イオンデポジット(雨染み)の除去や、ガラスコーティング表面の補修などです。
比較的に高額なガラスコーティングを施工したにも関わらず、定期的なメンテンナンスが必要になるため、それを面倒と感じる方は「しない方がいい」と言えるでしょう。
理由8:悪徳ガラスコーティング業者にぼったくられたことがあるから
あってはならないことですが、ガラスコーティングを施工している業者のなかには悪徳なぼったくり業者も存在します。顧客の知識があまりないことをいいことに、無駄に高いオプションや、実態のないメンテナンスなどをつけて高額の請求がきたという話もあります。
幸い、ガラスコーティングの技術は目に見えてわかりやすいもの。信頼のある業者は長い間地域でビジネスを行い、多くの顧客に愛されています。そのため、情報がたくさんある現在では、ぼったくり業者に出会う可能性もぐっと下がったと言えるでしょう。
過去に悪徳業者に騙されてしまった方は、気の毒ではありますが「ガラスコーティングは絶対しない方がいい」という感想を持ってしまうのも仕方がありません。
ガラスコーティングをして「後悔した」「やめた」という人の意見
実際にガラスコーティングをして「後悔をした」「もうやめた」という人の意見を集めてみました。
ディーラーコーティングのことだったらやめた方がいいですよ
Yahoo知恵袋より
あれは値引きを多く見せる為のボッタクリアイテムですよ!
ボディーコーティングにもピンからキリまで種類がありますので、どのレベルのコーティングなのかはディーラーさんに確認したほうが良いです。
Yahoo知恵袋より
花粉の乗ったところに直射日光が当たっていたのでしょう
Yahoo知恵袋より
うろこのような模様ができてしまいました。明るい色ならやはりコーティングは有効です。でももし新車を買う機会があればもうコーティングはしません
お客側で後悔、、、聞いた話ですが、、、
Yahoo知恵袋より
事故など車をぶつけた時に塗装屋は大変らしい。また、部分的なコーティングはできないから全部やり直すらしいので保険がきくならまだしも自腹の時は痛い出費らしい。
実際の口コミを集計してみると、以下のような傾向がありました。
- ディーラーコーティングに後悔している
- その後のメンテンナンスのことを考えてやめた
- 「ガラスコーティングをしない方がいい」という意見を見て後悔した
- 事故を起こしてしまい、コーティングが無駄になった
残念ながら、いずれもガラスコーティングについての正しいメリット・デメリットを理解しないまま施工してしまったために、後悔をしてしまっているケースが多かったです。
実際にガラスコーティングをして後悔しないためにも、自分がガラスコーティングをしたほうがいいかチェックしてみましょう。
ガラスコーティングをしない方がいい人の特徴
ガラスコーティングをしない方がいい人の特徴は、下記の3点です。
- 車の汚れが全く気にならない人
- 自分でイチからガラスコーティングができる人
- 2週間に1度の洗車が必ずできる人
逆にいえば、上記に当てはまらない人は「ガラスコーティングをした方がいい」と言えます。きちんとした業者を選び、しっかりとした知識で選べば、言ってしまえば「ガソリン給油」と同じくらいの必須具合があるカーメンテナンスのひとつです。
カリペア編集部は「ガラスコーティングをしない方がいい」は嘘!と言いたくなる効果・メリット
カリペア編集部が声を大にして言いたい「ガラスコーティングをしない方がいい」は嘘!と言えるくらいの、ガラスコーティングのメリットは下記の点です。
- ガラスコーティングでメンテナンスがグッと楽になる=時間が浮く
- 良い車の状態が保てるので査定買取価格にも影響あり=買い替えのときに嬉しい
- なんだかんだガラスコーティングをした車はかっこいい=ドヤれる
特に1・2のメリットであるメンテナンス頻度の激減と査定価格への影響は、かなり直接的に変わります。
今まで「ああ、車が汚れたなあ」と思って土日に長い列に並んで洗車をしていた方は、必ずやるメリットがあります。ガラスコーティング(特に親水性)であれば、雨が洗車の代わりになります。結果的に、車がいつまでもピカピカに保てます。
また、ガラスコーティングは言ってしまえばiPhoneにスマホケースやフィルムをつけるのと同じです。せっかく買った高級品のスマホを傷つけないためにみんなケースを付けますが、もっと高級な車にはコーティングをしないのはもったいないです。
傷ついていないiPhoneが結果的に高く売れるのと同じで、ガラスコーティングをした車も中古車査定のときに価格に影響します。
以上の理由から、カリペア編集部では「ガラスコーティングはした方がいい」と断言できます。
誤解を生む「ガラスコーティングの迷信」を解説
最後にガラスコーティングをして後悔をしないために、よくある誤解をここで解いていきます。
よく世間で言われているガラスコーティングについての誤解は以下の3つです。
- ガラスコーティングはメンテンナンスが要らなくなる
- ガラスコーティングはすべてぼったくり
- ガラスコーティングは向こう何年も持つ
それぞれの誤解について解説していきます。
誤解1:ガラスコーティングはメンテナンスが要らなくなる
よくあるガラスコーティングの誤解その1が「ガラスコーティングはメンテナンスが要らなくなる」と言うものです。
正しくは「ガラスコーティングはメンテナンス回数が少なくなる」です。ガラスコーティングは車が傷や汚れにグッと強くなるため、洗車などのメンテナンスは楽になります。
しかし、完全にメンテナンスがなくなるという意味ではありません。
誤解2:ガラスコーティングは全てぼったくり
ガラスコーティングについての誤解その2が「ガラスコーティングは全てぼったくり」というものです。
多くの場合、ぼったくりという理論はガラスコーティング剤の原価について言及されます。ガラスコーティング剤は、ネット通販を利用すればおよそ10,000円前後から手に入ります。家庭用であれば、もっと安く手に入るでしょう。
「10,000円前後のガラスコーティング剤を塗るだけで、数万円〜十万円の施工代を取るなんてぼったくりだ!」という意見です。
しかし、料理に例えればわかりやすく、料理の素人がいきなり最高級の本マグロを渡されても上手に調理できるでしょうか?そこに技術力が必要なはずです。
多くのガラスコーティング業者は、車の魅力を最大限に引き出すガラスコーティング技術を磨き、そこに対しての技術料として費用が設定されています。
そのため、ガラスコーティング剤の原価だけを見てぼったくりと判断するのは違うと言えるでしょう。
誤解3:ガラスコーティングは向こう何年も持つ
ガラスコーティングによくある誤解3つ目は「ガラスコーティングは向こう何年も持つ」というものです。
ガラスコーティングはガレージ保管の車であれば、3〜5年は優に持つ技術です。しかし、屋外や青空駐車では、やはり直射日光や降雨など過酷な環境のせいか、どうしても耐久年数は落ちてしまいます。
アフターケアやメンテナンスがしっかりしているガラスコーティング業者を選べば、長い付き合いで愛車をメンテナンスしてくれるでしょう。
ガラスコーティングで素敵なカーライフを送ろう!
「ガラスコーティングをしない方がいい」という意見について、ガラスコーティング業者ではなく、メディアとしての立場で考察していきました。
ガラスコーティング自体は、するかしないかのメリット・デメリットで言えば、必ずやったほうがいいと言える施工です。デメリットがメリットを上回ることはありません。
しかし、費用が高額にはなってしまうため、業者を選ぶ際は慎重に比較検討をしましょう。カリペアでは、全国のガラスコーティング業者を比較し、素敵な業者と巡り合うためのWebメディア。ぜひチェックしてみてください。
編集部からのコメント
10万円前後のスマホは頑丈にカバーをするのに、
数百万円以上する車をコーティングなしで放置するのはもったいないと思ってしまいます!正しくケアしてメンテナンスをすれば、数年後の売却の際に、かなりの価格差になることも。
正しい業者選びで、素敵なカーライフを送りましょう。
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