「青空駐車でコーティングする意味はあるのか」という疑問は多くの人が持っているかもしれません。せっかくコーティングしてもすぐ汚れてしまう青空駐車なら、その都度洗車する方が車をきれいに保てる気もします。
しかし、青空駐車で受けるダメージは、塗装の寿命にも大きく関係しているのをご存知でしょうか?
コーティングは車をきれいにするだけでなく、塗装の寿命を延ばす効果も期待できるメンテナンスです。そこで、もっともダメージを受けやすい青空駐車に適したコーティングを解説します。
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青空駐車に潜む愛車を痛めるリスク
まずは、青空駐車のリスクを知りましょう。
- 紫外線による塗装の劣化
- 酸性雨や鳥のフンによる表面汚れ
- 高音による汚れの付着
- 黄砂・PM2.5・花粉・火山灰など微粒子による細かな傷
青空駐車は直射日光や紫外線、花粉や黄砂、酸性雨、鳥の糞など自然現象の影響を大きく受けます。その影響で起こるリスクは、汚れやシミ、塗装の劣化による色褪せ、傷やひび割れです。
中古車として売り出すときの査定額に大きく影響を与えますし、どこかオンボロな印象を与えてしまいます。
紫外線による塗装の劣化
青空駐車は、屋内駐車と比較して紫外線の影響を最も受けると言われています。
車は何層も重ねて塗装されていますが、上層部には中・下層部の塗装を守るクリア塗装が施されています。紫外線を浴び続けるとクリア塗装が破壊され、その下にある塗装まで劣化してしまいます。
その結果、塗装自体の寿命が短くなるだけでなく、色ボケや色褪せしやすくなります。紫外線を直接浴び続けることは、塗装の寿命を縮めて見た目の美しさも損なう大きなリスクです。
また、日本全国の紫外線量は年々増加しており、10年あたり+4.1%の増加量と言われています。
外に置いておく限り、紫外線量は減ることはないため、青空駐車をする場合の紫外線対策は必須と言えます。
参考:気象庁|紫外線の経年変化
酸性雨や鳥のフンによる表面汚れ
屋根のない青空駐車では、雨や鳥の糞の被害も受けます。
雨はただの水だからとリスクが無いように思われますが、現在、日本全国で降っている雨は酸性雨です。酸性雨は塗装面に残り、乾くときに成分が濃くなって塗装を劣化させます。
環境省の調査(令和元年)によると、日本全国で降る雨のpH値は4.0〜5.0の間でした。pH5.6を下回るかどうかが酸性雨の基準と言われていますが、現在日本で降っている雨は紛れもない酸性雨です。
鳥の糞も同じで、鳥の糞は強力な酸性です。これらを放置すると汚れだけでなく、ひび割れや剥がれ、ひどい場合には小さな穴ができることもあります。
参考1:環境省|酸性雨の状況について(令和元年度)
参考2:酸性雨に関する基礎的な知識
高温による汚れの付着
青空駐車による高温は、汚れを付着させる原因になります。塗装の耐熱温度は最低でも150℃以上ありますが、問題は耐熱温度ではありません。
車に雨や水道水などが付着した時、早く乾燥すればするほどシミになって残ります。
シミの原因は、水分が蒸発する時にカルキやカルシウム、不純物が塗装面に残ることです。高温によって早く乾燥することは、多くの汚れを生み出す大きな原因と言えます。
また、そのシミは多くの場合、簡単に落とすことができない頑固な汚れとなります。
黄砂・PM2.5・花粉・火山灰など微粒子による細かな傷
黄砂やPM2.5、火山灰は細かい鉱物を含んでおり、その鉱物が塗装を傷つける原因です。
また、花粉は水に濡れると塗装の中まで侵入し、乾燥することで塗装の組織を縮ませて細かい傷を作ります。花粉は鉱物を含んでいないからといって、油断できません。
目に見えない細かい傷だからと言って放置せず、塗装を守るメンテナンスをしておくことが大切です。
青空駐車で車をきれいに保つ方法は親水性のガラスコーティングがおすすめ
車の保管状況で適したコーティングは変わりますが、青空駐車に適しているのは親水性のガラスコーティングです。
親水コーティング | 疎水コーティング | 撥水コーティング | |
---|---|---|---|
接触角度 | 小さい (30°程度) | 中程度 (50〜80°程度) | 大きい (95〜105°以上) |
水の流れ | 流れる | 流れる | 転がる |
光沢度 | 目立たない | 目立たない | キラッと輝く |
ウォータースポットへの耐性 | 強い | 比較的強い | 弱い |
特徴 メリット デメリット | 水染みができにくい 光沢が出にくい | バランスに優れる 親水性には劣る | 光沢感が魅力 風で水滴が落ちる 水染みに弱い |
車のコーティングには、大きく分けてワックス系・ガラス系・ガラス・樹脂系の4種類があり、また親水性・疎水性(そすいせい)・撥水性の3種類があります。
なぜ親水性のガラスコーティングが青空駐車に適しているのか、その理由は以下のとおりです。
- ガラスコーティングは耐熱性に優れている
- ガラスコーティングは摩擦や微粒子傷に対する強い保護力がある
- コーティングにより結果的に洗車回数を減らせる
それぞれの理由について詳しく解説します。
ガラスコーティングは耐熱性に優れている
ガラスコーティングは耐熱性に優れており、コーティング剤によって違いはありますが、その耐熱温度は700℃以上です。
塗装はもちろん、ガラスコーティング自体の被膜も熱で劣化しづらいので、長い間持続します。
また、ワックスや樹脂系コーティングと違い、炎天下で皮膜が剥がれにくいのも特徴です。高い耐熱温度は、塗装の色ボケや色褪せを防ぐ効果も期待できます。
ガラスコーティングは摩擦や微粒子傷に対する強い保護力がある
ガラスコーティングはその名の通り、ガラス成分で膜を作るコーティングです。
ガラス系コーティングと違いガラス成分の割合が高いので、ガラスコーティングの被膜は非常に高い硬度を持ちます。塗装面が薄く硬いガラスで覆われている状態なので、黄砂や花粉、微粒子の小さい傷が皮膜を貫通することはほぼありません。
また、摩擦に強く、洗車時の摩擦や高速走行時に受ける浮遊物のダメージも軽減します。
参考:「ガラスコーティング皮膜の機械的特性」伊藤 義康, 新藤 尊彦
コーティングにより結果的に洗車回数を減らせる
親水性のガラスコーティングは水滴が残り辛く、水シミができにくい特徴があります。
撥水性の場合、水滴がボディに残り蒸発して、白い跡や水シミができてしまうため青空駐車には向いていません。親水性のガラスコーティングなら雨が降るたびに洗車をしなくても、長い期間きれいな状態を保つことができます。
金銭面での節約や塗装の寿命を伸ばすためにも、洗車回数を減らせるのは大きなメリットです。
青空駐車にガラスコーティング以外をおすすめしない理由
コーティングには様々な種類がありますが、青空駐車に最も適しているのはガラスコーティングです。他のコーティングにもメリットがありますが、青空駐車というシチュエーションでいえばガラスコーティング以外はやめたほうがいいといえます。
油脂系 (ワックス) | 樹脂系 (ポリマー) | ガラス系 | ガラス | セラミック | |
---|---|---|---|---|---|
光沢度 (輝き) | 艶がでる | 艶がでにくい | 艶がでる | ピカピカ | 上品な艶 |
耐汚性 (汚れにくさ) | 汚れやすい | 汚れやすい | 汚れにくい | 汚れに強い | 汚れに強い |
撥水性 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
持続性 (寿命) | 〜1週間 | 3ヶ月 | 6ヶ月〜1年 | 3〜5年 | 5年〜 |
硬度 | |||||
費用 | ¥ | ¥¥ | ¥¥ | ¥¥¥ | ¥¥¥¥ |
特徴 メリット デメリット | 安い 手軽 持ちが悪い 汚れに弱い | 安い セルフで可 傷に弱い メンテ必須 | 傷に強い 汚れに強い 品質が左右 料金が高い | 高性能 光沢が良い 高寿命 品質が左右 | 高性能 高寿命 光沢が良い 高額 |
ガラスコーティング以外が適さない、青空駐車ならではの理由を他のコーティングと比較して解説します。
- ワックスコーティングの場合
- 樹脂系(ポリマー)コーティングの場合
- ガラス系コーティングの場合
それぞれ詳しく解説していきます。
ワックスコーティングの場合
油脂で膜を作るワックスコーティングは、安価で施工が簡単なので手軽にできるコーティングです。
しかし、熱に弱く剥がれやすいため、持続性がありません。
暑さの厳しい近年では、ワックスコーティングはすぐに剥がれたり溶け出したりしてしまいます。油脂が原因の水垢ができるため、直射日光にさらされ熱の影響を大きく受ける青空駐車には向いていません。
ワックスコーティングの特徴を見る
ワックスコーティング | |
---|---|
光沢(輝き)度 | 艶がでる |
耐汚性(汚れづらさ) | 汚れやすい |
持続性(寿命) | 1週間程度 |
硬度 | 油なのでなし |
費用 | 安価 |
特徴 メリット デメリット | 安い 手軽 持ちが悪い 汚れに弱い |
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樹脂系コーティングの場合
一般的にフッ素コーティングやポリマーコーティングのことを、樹脂系コーティングと呼びます。
ガラスコーティングのように硬い皮膜ではなく柔かい皮膜なので、傷付きやすいコーティングです。紫外線に弱く、青空駐車の環境であればすぐに樹脂が剥がれて劣化してしまいます。
環境の違いはありますが基本的に持続期間が短く、青空駐車であればさらに持続性は短くなるでしょう。
樹脂系コーティングの特徴を見る
樹脂系コーティング | |
---|---|
光沢(輝き)度 | 艶がでにくい |
耐汚性(汚れづらさ) | 汚れやすい |
持続性(寿命) | 3ヶ月 |
硬度 | ほぼない |
費用 | 安価 |
特徴 メリット デメリット | 安い セルフで可 傷に弱い メンテ必須 |
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ガラス系コーティングの場合
ガラス系コーティングはガラス繊維や樹脂を含んでおり、ガラスコーティングとは別物です。
被膜の硬さ、持続性の長さどちらもガラスコーティングより劣ります。
酸性雨に弱いため水シミがつきやすく、過酷な環境にある青空駐車だと持続性は数ヶ月程度しかありません。また、熱や紫外線に弱く剥がれやすい特徴があり、直射日光の影響を受ける青空駐車には向かないコーティングです。
ガラス系コーティングの特徴を見る
ガラス系コーティング | |
---|---|
光沢(輝き)度 | 艶がでる |
耐汚性(汚れづらさ) | 汚れにくい |
持続性(寿命) | 6ヶ月〜1年 |
硬度 | 硬い |
費用 | やや高価 |
特徴 メリット デメリット | 傷に強い 汚れに強い 品質が左右 料金が高い |
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青空駐車における間違ったカーメンテナンス知識
青空駐車でも工夫すればコーティングは不要と思うかもしれません。
しかし、青空駐車でもデメリットを知らずに対処すると逆に車を傷める原因になります。よく目にするカーメンテナンス、ボディカバーや洗車回数の問題点を再確認してみてください。
「ボディカバーをすれば解決する」→傷が付きます
車全体を覆うボディカバーは紫外線対策に有効ですが、着脱の時に擦れてボディが傷つく大きなデメリットがあります。
車を使うたびに必ず着脱するので、どれだけ気を付けても傷つくのを避けるのは不可能と言えるでしょう。また、ボディカバー内は熱がこもりやすく蒸れてしまうので、逆に塗装の劣化を早める結果になる可能性もあります。
「洗車回数を増やせば青空対策できる」→1週間に1回できなければ意味ない
青空駐車は人間が管理できない自然現象の影響を毎日、直接的に受けます。
常に汚される環境と言っても過言ではないため、洗車の頻度は1週間に1回でなければ、汚れによる塗装の劣化は防げません。
更に、洗車の頻度が高いと洗車による細かな傷や塗装の剥離が起こるため、洗車を増やして青空対策することは逆効果になると言えます。
青空駐車のコーティングについて知っておきたいこと
青空駐車の場合、コーティングが車の保護に優れていることは間違いありませんが、コーティング前に知っておいた方が良いポイントがいくつかあります。
- Q.「青空駐車でキーパーコーティングってどうですか?」
- Q.「自分でコーティングをやってみたいのですが、おすすめのコーティング剤はありますか?」
- Q.「中古車にもガラスコーティングをした方がいいですか?」
- Q.「ガラスコーティングは新車の納車から何日くらいでやった方がいいですか?」
知っておけばコーティングで失敗する可能性を低くできるため、事前に情報を得ておくことが重要です。
コーティングは安くない費用がかかります。後で後悔しないためにも疑問点は解消しておきましょう。
青空駐車はガラスコーティングで乗り切るのが吉
青空駐車でも、ガラスコーティングをすることで車をきれいな状態で保ちやすくなり、塗装の劣化も遅らせることができます。
見た目の美しさだけでなく車を保護すると言う意味でも、ガラスコーティングはおすすめのお手入れ方法です。
編集部からのコメント
青空駐車をするなら「親水性のガラスコーティング」がマストです!
車にとっては屋内駐車が一番良いですが、青空駐車を避けられない時もあります。正しいコーティングで、愛車の塗装寿命を最大限伸ばしましょう。
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